昨日の早朝、A様が旅立たれました。
昨年の開設当初から入居いただいて、今に至るまで、
A様には、本当に多くの感動をいただきました。
寝たきりで抑制をされ、長い時間が経っていたため
足が棒のように拘縮していた入居時の様子を今でもよく覚えています。
往診の医師からは、余命1ヶ月と言われるほどに衰弱もされていました。
しかし、経管栄養の変更など、医師のサポートを受けながら、
リハビリや生活刺激を根気強く続けることで徐々に回復し、
車椅子に乗車できるようになり、新聞を読んだり
嚥下障害があるので絶対に無理といわれた経口摂取までできるようになりました。
その度に、私たちをワクワクさせてくれたAさん。
笑顔や仕草がなんとも愛くるしいのだけれども
どこか、兵隊に行っていたことを思わせる
凛とした表情も素敵でした。
しかし、経管栄養をされていたA様のお腹は
栄養を受け付けなくなっていたようです。
普通の人であれば食欲がなければ、食べないという行動がとれますが
経管栄養をされていると自分のおなかの調子が悪くても
それを伝えることができなければ、どんどん容赦なく注入がなされていくことになります。
そうすることによって、A様を苦しめていたかもしれないことに気がついたのですが
だからといって、検査や治療を受けるのもA様をよけい苦しめる結果になるのは予想がつき、
ご家族もそれを望まれませんでした。
注入量を減らしたり、抜いたりなど色々試してみましたが、回復されず
最後は、栄養チューブも点滴もない自然な状態で、娘さんに看取られて旅立たれました。
亡くなる前日の夜、ベッドに座って、しっかりした顔で
いつものように、スタッフが「相撲見ます?」と聞くと「うん」うなづかれて、
大好きだった大相撲の千秋楽を観ておられました。
最後までA様らしい・・・と思います。
でも、とても寂しいです。